「レンブラント光線」と「フェルメール光線」 撮影方法解説

63月 - による usharp - 0 - blog how to インターネットでの販促

バックを暗くする撮影方法とふわっとした光で撮影する方法を小型ストロボと身近にあるものを代用してやってみました

タイトルが大げさですが、この場合「片側からの光源」なのか、「光がよく廻り込んでいる場所」なのかと言うことで使わせていただきます。前者をレンブラント光線、後者をフェルメール光線ということにします。
具体的には同じ場所・ほぼ同時刻で「バックを黒くして被写体を浮かび上がらせる」方法と「光を廻らせる(分散)させる」ということをやってみました。

あるクライアントさまから質問されました。
「スマホはきれいに撮れるけど背景無しで撮りたいときは難しい。『必殺仕事人の中村主水』みたいにするにはアプリで加工するしかないのかね?」

みたいなことを聞かれました。中村主水って多分こういうことですよね(画像は使えないのでリンクはアマゾンのアイテムです)。

確かにスマホじゃ難しい。横からの光線があればいいのですが大抵の場合は背景も写り込んでしまって真っ黒にはならない。スマホのストロボはカメラ側の真正面からしか当てられないのでベタベタでテカテカの顔になってしまう。場合によっては目が真っ赤(赤目現象)になってしまう。おっさんがうさぎ目になっても全然かわいくない。

で、自分で実験してみようと思い立ちました。では、始めますよ。

場所はフォトスタジオではありません。大型ストロボやバック紙も使いません。一眼レフと小型ストロボと仕事部屋にあるものだけでやってみました。


仕事場です。散らかっています。築50年ほどの日本家屋をリノベートして天井も壁も白色になっています。建物が隣接していない二階部分で南側の大きな窓から自然光が入ります(ちなみに隣は墓地です)。これだけでもきれいな写真が撮れます。ありがたいです。※今回の実験では自然光は関係ありません。

自分はフォトグラファーといっても今は必要最低限のものしか所有していません。マニアでもコレクターでもないので大型ストロボや使わないカメラ関係の機材はほぼ処分しました。必要なときにレンタルするというスタイルでここ10年以上やっています。
ですので、代用できるものを使うということは常に考えていますし、これを読んで頂いた皆さまにも応用が効くのではないかなと思っています。

【使用機材など】

  • EOS7d
  • ZOOM LENS EF 24-70mm
  • EOS専用スピードライト580EX2
  • 三脚
  • シンクロケーブル
  • 椅子
  • ギターアンプ
  • カメラキャリングケース
  • ハレパネ(レフ板として使っているやつ)

【撮影日時】

  • 2018年3月6日13〜14時くらい

レンブラント光線

今回の被写体は人物ではないですが理屈は同じです。陰影がはっきりとわかりやすく影が出やすい被写体をわざと選びました。

photo1「レンブラント光線失敗」 1/125sec, F13, ISO100
photo1「レンブラント光線失敗」 1/125sec, F13, ISO100
photo2「レンブラント光線成功」1/125sec, F13, ISO100
photo2「レンブラント光線成功」 1/125sec, F13, ISO100

photo1が失敗、photo2が成功です。ご覧の通り撮影データは全く同じです。ストロボの光量も同じです。失敗はバックがうっすらとグレーに写り込んでしまっています。これでは中村主水にはなれません。

失敗はこの様なセッテイングで撮りました。ピアノ椅子の上に被写体を置いています。カメラケースの上にストロボを置いています。ストロボの固定はビデオカメラ用の小型ハンディタイプの安モンのスタビライザーです。左上からストロボを当てています。カメラとはケーブルでつながっています。

で、これが成功のセッテイング。着ない黒色のジャケットをハレパネに引っ掛けました。これだけです。コツとしてはなるべく被写体とバックの距離を離すということです。(右側にハレパネが写っていますが撮影には関係ありません)

フェルメール光線

photo3「フェルメール光線成功」 1/40sec, F8, ISO100
photo3「フェルメール光線成功」 1/40sec, F8, ISO100

今度は同じ被写体を柔らかい光線で撮影してみました。

こんなセッテイングです。ストロボはレンブラント光線撮影時と同じものを同じ光量でカメラにセットして天井に向かって当てています。大きなハレパネ2枚、小さなハレパネも2セット使っています。一番手前の小さなハレパネはカメラ側の下の方から被写体めがけて当ててやる感じです(ギターアンプで支えています笑)。被写体を白い壁で包み込む感じでやるといいと思います。シャッタースピードはやや長めが良いと思います。F値はレンブラント光線撮影時に比べて開けています。

ご自分でやってみようという場合には別光源としてスピードライト(=ストロボ)が必要になります。ストロボシンクロ端子がついていないカメラの場合はホットシューストロボケーブルを使えば、今回のやり方と同じ有線でストロボを使えます。ちなみにワイヤレスでもできますよ。
※説明のためにアマゾンにリンクしていますが機材により使用できるものとできないものがありますのでよく調べてお買い求めください。当方は一切責任を持ちません。ごめんなさい。

今回はストロボを使ってやってみましたが、実はLEDのライトでも近いことはできます。機会ががあれば投稿してみます。